先日、健康診断の「便潜血検査」で陰性と判定されても大腸がんが隠れている可能性があり、早期発見や予防には「大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)」が不可欠であるという医療ニュースが報じられていました 。
「健康診断の便潜血検査で異常なしだったから、自分は大丈夫」 「大腸カメラが大切なのは分かるけれど、痛そうだし、忙しくて受ける時間がない…」
診察室でも、このようなご質問やご相談を非常によくいただきます。それに健康診断の検査結果で便潜血検査が「陰性」と出ると、誰でもホッと安心しますよね 。
しかし、結論からお伝えすると、便潜血検査で「陰性」だったからといって、100%大腸がんがないとは言い切れないのが医学的な事実なのです 。
今回、便潜血検査で見逃しが起こる理由から、見逃してはいけない初期症状、予防のカギを握るポリープ切除、そして当院が行っている「痛くない・忙しくても受けられる」検査スタイルまで、内視鏡専門医の立場から分かりやすく解説します。
便潜血検査で「陰性」なのに大腸がんが隠れている3つの理由
健康診断で行われる「便潜血検査」は、大腸がん検診として非常に優れた、簡便で大切な検査です 。しかし、この検査はあくまで「便の中に血が混じっているかどうか」を調べるものであり、大腸の粘膜を直接観察しているわけではありません 。
大腸の中に病変が存在していても、検査結果が「陰性」に出てしまう理由として、主に以下の3点が挙げられます。
- がんやポリープが「常に出血している」わけではない
大腸がんやポリープからの出血は断続的なことが多く、たまたま便を採取した日に出血が治まっていれば「陰性」と判定されてしまいます。 - 早期がんや小さなポリープは出血量が少ない
ごく初期段階の大腸がんや小さめのポリープは、便潜血検査で検出できるほどの出血がない場合が多く見逃されがちです。 - 便の採取場所によって血液が含まれないことがある
出血量が少ない場合、便全体に均一に血液が混ざるわけではないため、採取したスティックの部位によって血液が含まれないことがあります。
このように、便潜血検査は集団検診として有用ですが 、個人の病変を100%見つけ出せる万能な検査ではありません 。
見逃したくない!注意すべき大腸のSOS症状
「便潜血が陰性だったから大丈夫」と思い込んでいると、体から発せられている微小なサインを見過ごしてしまうおそれがあります 。
早期の大腸がんは自覚症状がほとんどありませんが 、進行に伴って以下のような症状があらわれることがあります 。
- 血便(便に鮮やかな赤や暗赤色の血が混じる、粘液が混ざる)
- 便秘と下痢を何度も交互に繰り返す
- 以前に比べて便が細くなったと感じる
- 排便後もスッキリせず、残便感が続く
- 慢性的な腹痛や、お腹の張り(腹部膨満感)がある
- 原因不明の貧血や、体重減少・食欲低下がある
これらの症状を「たかが便秘」「いつものお腹の張り」と放置せず、気になる変化が続くようでしたら、一度専門の医療機関でしっかり調べてみましょう。
大腸ポリープを放置するとどうなる?ポリープ切除のメリット
大腸がんの多くは、最初から悪性腫瘍として発生するわけではありません 。その多くは「腺腫(せんしゅ)」と呼ばれる良性のポリープが、数年という歳月をかけて徐々に大きくなり、やがてがん化していくことが分かっています 。
つまり、がんになる前の「ポリープ」の段階で見つけて取り除いてしまうことが、最大の大腸がん予防になります 。
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)で切除する主な利点
- がんになる前の段階で根本治療ができる
ポリープ段階で摘出できれば、将来的に大腸がんへ進展するリスクを大幅に減少させることができます。 - お腹を切る開腹手術を避けられる
内視鏡を使った切除であれば、体に大きな傷をつけることなく、負担を抑えて治療が完結します。 - 検査と治療が「一度」で完了する
当院の大腸カメラ検査では、検査中に発見したポリープをその場で切除することが可能です(※サイズや数によります) 。 - 組織を病理検査して正確な診断が得られる
切除したポリープを顕微鏡で詳しく調べることで、悪性度の有無や今後の経過観察のペースを正確に判断できます。
「痛い・つらい・時間がない」を解消する当院の取り組み
「大腸カメラが大切なのは分かったけれど、痛そうだし通院する時間もない…」と躊躇される方のために、当院では患者様の負担を最小限に抑える様々な工夫を行っています。

痛みを抑えて楽に受けるための工夫
鎮静剤使用による負担の少ない「寝たまま」検査
痛みに不安がある方には適量の鎮静剤を使用し、眠っているような状態で楽に検査を受けていただけます。
お腹が張りにくい「炭酸ガス(CO₂)送気」
体内への吸収が早い炭酸ガスを使用することで、検査後特有のお腹の張りや膨満感を劇的に軽減します。
内視鏡専門棟の完備と熟練の手技
検査に特化した「内視鏡専門棟」のプライベートな空間で、経験豊富な日本消化器病内視鏡学会専門医が高度な手技で迅速かつ的確に検査を行います。
忙しい方のための「スマートな検査スタイル」
胃・大腸同日内視鏡検査
1 回の来院・1回の鎮静剤で、胃カメラと大腸カメラを同日にまとめて受けることができます。前日の食事制限や事前準備も1回で済むため、お忙しい方に大変好評です。
通院回数を減らす配慮
事前診察や検査予約を効率化し、多忙な方でもスムーズに検査を完了できるようサポートいたします。
消化器症状へのトータルコミット
当院は単に「検査をする」だけでなく、検査後の結果説明からポリープ切除後のフォロー、慢性的な胃痛・便秘・下痢などの日常的な症状改善まで、専門医として責任を持って一貫対応いたします。
東淀川区の地域医療として|お気軽にご相談ください
大腸がんは早期に発見・対処できれば決して恐ろしい病気ではありません 。しかし、「便潜血で陰性だったから」「忙しいから」「痛そうだから」と検査を後回しにしているうちに、静かに進行してしまうことが最も危険です 。
当院は東淀川区の皆様の健康を守る地域のかかりつけ医として、お一人おひとりの不安に耳を傾け、負担のない医療を提供することを目指しています。
「健康診断の結果を見て少し不安になった」 「忙しくて時間が取れないけれど、胃と大腸をしっかり診てほしい」 「便の調子が最近すっきりしない」 このような小さなお悩みでも構いません。どうぞ遠慮なく、当院までお気軽にご相談ください。Webからのご予約・お問い合わせも24時間受け付けております。
【出典・参考】
健康診断で『大腸がん』は見逃される? 『血便』などの症状と「大腸カメラ」の重要性 | メディカルドック