脂がのった美味しい秋刀魚(サンマ)やサバ、イカなどの生の魚介類が食卓を彩る季節になりました。
一方で、この時期に急増するのが、生の魚介類を食べて数時間後に突然起こる「アニサキス症」による激しい胃痛です。
ニュースやメディアでも話題に上ることが多いため、「刺身を食べた後にみぞおちが激しく痛む… もしかしてアニサキス?」「この痛みがアニサキスなら、どう対処すればいいのだろう」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、東淀川区で消化器診療に携わる専門医の視点から、アニサキス症の特徴や放置する危険性、間違えやすい他の病気、そして当院で行っている苦痛を抑えた検査・治療法について分かりやすく解説します。
秋に増えるアニサキス症とは?症状と放置するリスク
アニサキス症は、アニサキスの幼虫が寄生している魚介類(サンマ、サバ、アジ、イカ、カツオ、サケなど)を、生または加熱不十分な状態で食べることで発症する食中毒です。
アニサキス症の典型的な症状チェック
- 発症までの時間:食後2~8時間ほど経過してから突然発症することが多い
- 痛みの特徴:波のように繰り返し襲ってくる「刺すような」「締め付けられるような」強い胃痛
- 伴う症状:吐き気、嘔吐、じんましんなどのアレルギー症状
- 薬の効果:一般的な市販の胃薬や鎮痛剤を飲んでも痛みが和らぎにくい
幼虫が胃の粘膜に食い込むことで、こうした激しい症状を引き起こします。
痛みを我慢して放置するとどうなる?
「一晩我慢すれば治るだろう」と自己判断で放置するのは大変危険です。
アニサキスが胃を通過して腸まで届いた場合、食後1~数日後に強い下腹部痛や、腸閉塞のような重い症状を引き起こすことがあります。まれに腸に穴が開く(穿孔:せんこう)といった深刻な合併症へ進行することもあります。
また、激しい腹痛の原因がアニサキスではなく、直ちに治療が必要な別の重大な病気である可能性も考えられます。我慢せず、早めに消化器内科を受診することが安心への近道です。
アニサキス以外にも!「激しい胃痛・腹痛」を起こす危険な病気
魚を食べた後の痛みであっても、原因がアニサキスとは限りません。消化器領域には、アニサキスと似たような強い胃痛・腹痛を起こす病気がいくつか存在します。
激しい胃痛を起こす代表的な疾患
- 急性胃炎・胃潰瘍:胃粘膜の急激な炎症や傷により、激しい痛みや吐き気を生じます。
- 急性胆嚢炎・胆石症:主に右上腹部からみぞおちにかけて強い痛みが走り、発熱を伴うことがあります。
- 急性膵炎:みぞおちから背中にかけて突っ張るような強い痛みが続き、緊急治療が必要です。
- 急性虫垂炎(いわゆる盲腸):初期はみぞおち周辺の痛みとして感じられ、次第に右下腹部へ痛みが移動します。
- 腸閉塞・消化管穿孔:胃や腸が詰まったり穴が開いたりする状態であり、命に関わるため緊急処置が必要です。
これらの病気は、症状の問診だけでは完全に見分けることができません。正確な原因を特定し、迅速に適切な治療を行うためにも、医療機関での検査が極めて重要です。
市販の胃薬や鎮痛剤で治る?受診すべき理由
「痛みを和らげるために、市販の鎮痛剤や胃薬を飲んで様子を見よう」と思われるかもしれませんが、薬だけでアニサキス症を根本的に治すことはできません。
市販薬で様子を見るリスク
- アニサキスを取り除けない:胃酸を抑える薬を飲んでも、粘膜に食い込んだ寄生虫そのものを除去することはできません。
- 重症化に気づきにくくなる:鎮痛剤で一時的に痛みを抑えてしまうと、病状の悪化や手遅れに気づくのが遅れるおそれがあります。
- 緊急処置の機会を逃す:別の緊急疾患だった場合、発見が遅れることで治療が難しくなるリスクがあります。
胃の中にいるアニサキスであれば、胃カメラ(上部消化管内視鏡)を用いて直接虫体を摘出するのが最も確実に痛みを改善する治療法です。摘出した直後から、それまでの激痛がすっと和らぐことも少なくありません。
当院の検査・治療アプローチと安心の医療環境
当院では、アニサキスが疑われる突然の胃痛でお困りの患者様に対し、迅速かつ身体への負担を抑えた検査・治療体制を整えています。
◆ 内視鏡専門棟での安心な処置
当院は内視鏡専門棟を完備しており、検査・治療に特化した環境のなかで安全に内視鏡検査を行います。
・迅速な内視鏡観察:胃の中を直接観察し、アニサキスの有無や粘膜の状態を確認します。
・その場での摘出処置:アニサキスを発見した場合は、専用の鉗子(かんし)を用いてその場で素早く安全に摘出します。
・総合的な診断:アニサキスの確認だけでなく、胃炎や胃潰瘍など他の病変がないかも同時に診断します。
突然の胃痛・お腹の不安は東淀川区の当院へ
美味しい秋の味覚を安心して楽しむためにも、お腹に不調を感じたら無理をせず早めにご相談ください。東淀川区の地域医療を支えるクリニックとして、親身になって皆様の健康をサポートいたします。
ご予約・ご相談は、24時間受診可能なWeb予約をぜひご利用ください。
出典・参考:
東洋経済オンライン『【アニサキス症】食中毒激増! 背景に2つの理由 (再配信) サンマの季節も到来、気を付けておきたいこと』