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【専門医が解説】「痛い・苦しい」胃カメラが楽になるコツと検査選びのポイント

「胃カメラは苦しくて苦手」「できれば受けたくない…」と感じていませんか?

胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)は、食道がんや胃がんなどの病気を早期発見するためにとても重要な検査ですが、過去の辛い経験や恐怖心から受診を躊躇してしまう方も少なくありません。

今回は、胃カメラの苦しさを和らげる工夫や、放置することのリスク、検査方法(経鼻・経口)の選び方について、専門医の視点から分かりやすくお伝えします。

1. 胃カメラの「吐き気・苦しさ」を和らげる工夫とは?

胃カメラが苦手だと感じる方の多くは、スコープが喉を通るときの「オエッ」となる嘔吐反射や、検査中の苦しさに不安を感じていらっしゃいます。

こうした苦痛を軽減する方法として、主に以下のような選択肢や工夫があります。

  • 鎮静剤(麻酔)を使用する:
    鎮静剤を使用することで、緊張や不安が和らぎ、うとうとと眠っているような状態で検査を受けられます。(※効果には個人差があります)
  • 鼻から挿入する「経鼻内視鏡」を選ぶ:
    鼻からスコープを挿入する方法は、舌の付け根(嘔吐反射が起きる部分)を刺激しにくいため、口からの検査に比べて吐き気が起こりにくい特徴があります。
  • 検査中の力みをなくす(リラックス):
    検査中に体に力が入ると喉が狭まり、嘔吐反射が強く出てしまいます。スタッフの指示に合わせてゆっくり腹式呼吸を行い、肩や喉の力を抜くことが大切です。
  • 事前カウンセリングで不安を解消する:
    検査前に疑問や不安点、過去の辛かった経験などを医師に話しておくことで、より配慮された環境で安心して臨むことができます。

大切なのは、苦しいのを無理に我慢することではありません。ご自身に合った方法を選ぶことで、検査の負担は大きく軽減できます。

2. 胃カメラをためらうと危険?放置で見逃されるリスクのある疾患

「痛そう」「怖い」という理由で検査を先延ばしにしてしまう方は多いですが、放置することで発見が遅れてしまう代表的な疾患があります。

◆ 食道がん・胃がん

初期段階では自覚症状がほとんどないケースが多く見られます。「症状がないから大丈夫」と思っていても、病気が進行している可能性があります。

◆ 胃潰瘍・十二指腸潰瘍

みぞおちの痛みや胸やけなどを引き起こし、放置すると出血や穿孔(胃に穴があくこと)につながるリスクがあります。

◆ ピロリ菌感染による慢性胃炎

ヘリコバクター・ピロリ菌に感染していると慢性胃炎が進行し、将来的な胃がんリスクが高まります。

注意したい主な症状

以下のような症状がある場合は、早めの検査が推奨されます。

  • 食べ物がつかえる、飲み込みにくい
  • 胸やみぞおちに違和感や痛みがある
  • 胃もたれや胸やけが続いている
  • 体重が理由なく減ってきた

胃カメラは、粘膜を直接観察し、必要に応じて組織を採取して詳しく調べることができるため、早期発見・早期治療のための最も確実な検査です。

3. 「鼻から(経鼻)」と「口から(経口)」どっちを選ぶべき?

内視鏡検査には「経鼻」と「経口」の2種類があり、患者さんの体質や検査の目的に応じて使い分けることが理想的です。

挿入方法 メリット 注意点・デメリット
経鼻内視鏡
(鼻から)
・嘔吐反射が起こりにくい
・検査中に医師と会話ができる
・鼻腔が狭い方は挿入が難しい場合がある
・鼻出血のリスクがある
経口内視鏡
(口から)
・スコープの選択肢が多く処置がしやすい(※1)
・画質や操作性に優れている(※1)
・嘔吐反射が出やすい
(※2. 鎮静剤の併用で軽減可能)

(※1. 当院の上部内視鏡検査では細径内視鏡のみを使用しております。)

「どちらが絶対に良い」ということはありません。お鼻の形状や過去の検査歴、鎮静剤の使用有無などを考慮し、一人ひとりに合った最適な方法をご提案いたします。

4. 当院での取り組み|恐怖心や苦痛を和らげるために

当院では、「以前の検査がつらかった」「どうしても胃カメラが怖い」という方にも安心してご来院いただけるよう、以下のような診療・検査体制を整えています。

◆ 丁寧な前診察とご要望の確認
不安な点や過去の経験をしっかり伺い、一人ひとりに最適な検査プランをご提案します。

◆ 鎮静剤(麻酔)を使った無痛に近い検査
不安が強い方には、鎮静剤を用いてリラックスした状態で検査を行っていただけます。

◆ 経鼻内視鏡の選択肢
細径スコープを使用し、身体への負担を抑えた検査に対応しています。

患者さんがつらい思いをしてまで我慢して受ける必要はありません。身体的な痛みだけでなく、心理的な負担にも配慮した診療を心がけています。

5. 忙しい方へ|胃・大腸カメラの同日検査や効率的な診療のご提案

お仕事や家事、育児などで忙しく、「何度も受診する時間がない」という方も多くいらっしゃいます。当院では、患者さんのライフスタイルに合わせた効率的な健康チェックをご提案しています。

  • 胃カメラと大腸カメラの同日検査:
    同日に両方の検査を行うことで、食事制限や通院回数の負担を大幅に削減できます。
  • 血液検査などの同時実施:
    内視鏡検査とあわせて血液検査を行うことで、貧血や肝機能・腎機能などの全身状態も効率よく確認できます。

忙しい時期こそ健康管理を後回しにせず、無理なく続けられる計画的な検査をご活用ください。

お気軽にご相談ください

胃カメラに対して少しでも苦手意識や不安がある方は、まずは事前のご相談だけでも構いません。ご自身に合った無理のない検査方法を一緒に見つけていきましょう。

東淀川区の地域医療を支えるクリニックとして、親身になって皆様の健康をサポートいたします。


執筆者

清水 志歩
清水 志歩

略歴

平成28年
福井大学医学部卒業
京都第二赤十字病院

資格・所属学会

  • 日本内科学会内科専門医
  • 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
  • 日本消化器病学会消化器病専門医