十二指腸潰瘍とは
十二指腸潰瘍とは、胃から続く十二指腸の粘膜が強力な胃酸によって深く傷つき、えぐれてしまう病気です。胃潰瘍が胃の内部に発生するのに対し、十二指腸潰瘍は胃の出口の先にある十二指腸（主に球部と呼ばれる入口付近）に生じます。
特に、夜間や早朝などの空腹時にみぞおちの痛みが出て、食事をすると一時的に和らぐというのが十二指腸潰瘍の典型的な症状です。放置すると出血や穿孔（穴が開くこと）など重篤な合併症を引き起こす危険があるため、早期の診断と治療が不可欠です。
当院（大阪市東淀川区・上新庄）では、消化器内視鏡専門医が胃カメラ検査で正確な診断を行い、原因に基づいた最適な治療をご提案しています。空腹時の胃痛や黒色便など気になる症状があれば、お早めにご相談ください。
【WEB予約はこちら】から24時間受付中です。
十二指腸潰瘍の主な原因
十二指腸潰瘍の原因は胃潰瘍とほぼ共通しており、主に以下が挙げられます。
ピロリ菌（ヘリコバクター・ピロリ）感染
十二指腸潰瘍患者の90%以上がピロリ菌に感染していると報告されています。ピロリ菌に感染すると胃酸分泌が過剰となり、その強力な酸が十二指腸粘膜を攻撃し、潰瘍を形成し、防御機能とのバランスを崩して潰瘍を発生させます。
非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）
解熱鎮痛剤（ロキソプロフェンやイブプロフェンなど）は粘膜の防御機能を弱め、十二指腸潰瘍の発症リスクを高めます。
その他の要因
● ストレス
● 喫煙（胃酸分泌を促進し血流を悪化させます）
● アルコールの過剰摂取
● 遺伝的要因
十二指腸潰瘍の症状
十二指腸潰瘍の症状は胃潰瘍と似ていますが、症状が出るタイミングに特徴があります。
- 空腹時の腹痛（夜間や早朝にみぞおちがシクシク・キリキリと痛む。食事で一時的に改善）
- 胸やけ、呑酸（酸っぱいものがこみ上げる）
- 吐き気・嘔吐
- 腹部膨満感
- 黒色便（タール便）：潰瘍から出血した場合に現れる危険なサイン。便がイカ墨のように黒くなります。
- 貧血症状（めまい・立ちくらみ）
若年層では自覚症状が乏しく、いきなり吐血・下血で発症することもあるため注意が必要です。
十二指腸潰瘍の検査
診断確定のためには**上部消化管内視鏡検査（胃カメラ）**が最も有効です。
上部消化管内視鏡検査（胃カメラ）
内視鏡を口または鼻から挿入し、食道、胃、そして十二指腸の粘膜を直接観察します。潰瘍の有無、場所、深さ、活動性（出血の有無など）を正確に診断することが可能です。潰瘍が見つかった場合は、組織を採取して悪性所見がないかを確認する病理検査や、ピロリ菌感染の有無を調べる検査も同時に実施します。
当院（大阪市東淀川区・上新庄）では、鎮静剤を用いた苦痛の少ない内視鏡検査も実施しております。
十二指腸潰瘍の治療法
治療は主に薬物療法が基本となり、十二指腸潰瘍の主な原因であるピロリ菌の除菌を中心に行います。
薬物療法
● 胃酸分泌抑制薬：
プロトンポンプ阻害薬（PPI）、P-CAB（カリウムイオン競合型アシッドブロッカー）、H2ブロッカーなど、胃酸の分泌を強力に抑える薬を使用します。これにより、十二指腸粘膜への攻撃を弱め、潰瘍の治癒を促します。これらの薬は非常に効果が高く、通常は数週間の服用で潰瘍は改善します。
● 粘膜保護薬：
潰瘍部分の粘膜を保護し、修復を助ける薬を併用することもあります。
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌感染が確認された場合は、潰瘍の治療と並行して、あるいは治療後に除菌治療を行います。除菌治療は、十二指腸潰瘍の再発率を劇的に低下させることが科学的に証明されており、治療において極めて重要です。2種類の抗生物質と胃酸分泌抑制薬を1週間服用します。
生活習慣の改善
● 禁煙
● アルコール・刺激物の制限
● 十分な睡眠とストレス軽減
内視鏡的止血術・手術
出血が止まらない場合や、穿孔（穴が開くこと）を起こした場合は、緊急の対応が必要です。多くの場合、内視鏡による止血術が可能ですが、それで止血できない場合や穿孔のケースでは、手術が必要となります
大阪市東淀川区・上新庄で十二指腸潰瘍かもと思ったら
十二指腸潰瘍は若い世代にも多く、再発しやすい病気です。
しかし、ピロリ菌除菌治療により再発を防ぐことも可能です。
空腹時の胃痛や黒色便などの症状がある方は、我慢せず専門医にご相談ください。当院（大阪市東淀川区・上新庄）では、消化器内視鏡専門医が正確な診断と安心の治療を行っております。
【WEB予約はこちら】から24時間受付中です。