急性腸炎とは

急性腸炎とは、何らかの原因によって腸の粘膜に急性の炎症が起こる病気の総称です。突然発症する激しい腹痛、下痢、嘔吐、発熱などが主な症状で、多くの方が一度は経験したことがある「お腹の風邪」や「食あたり」もこれに含まれます。
急性腸炎は、その原因によって大きく「感染性」と「非感染性」に分けられます。特にウイルスや細菌による感染性腸炎は、周囲の人にうつしてしまう可能性もあるため注意が必要です。ほとんどの場合は数日で自然に回復しますが、症状が激しい場合や脱水症状、血便などがある場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。大阪市東淀川区・上新庄周辺に位置する当院では、症状や状況から原因を的確に診断し、苦痛を和らげる適切な治療を行っています。
【WEB予約はこちら】から24時間受付中です。
急性腸炎の原因
感染性腸炎
ウイルスや細菌が腸に感染することで発症します。いわゆる「食中毒」も含まれます。
● ウイルス性:ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど。特に冬場に流行し、人から人への感染力が強いのが特徴です。汚染された食品(特にカキなどの二枚貝)や感染者の便・吐瀉物を介して感染します。
● 細菌性:カンピロバクター、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌(O-157など)が主な原因。加熱が不十分な肉(特に鶏肉)、卵、魚介類が原因となることが多く、夏場に多発する傾向があります。
非感染性腸炎
● 暴飲暴食:消化能力を超える量の食事や脂肪分の多い食事、過度なアルコール摂取
● 薬剤性:抗生物質や解熱鎮痛剤の副作用
● アレルギー性:特定の食物に対するアレルギー反応
● ストレス:過度なストレスが自律神経に影響し、腸の機能に負担
急性腸炎の症状
原因や炎症の程度によって症状は異なります。主な症状は以下の通りです。
- 下痢:水様便が頻繁に起こる。細菌性腸炎では血便や粘液便が混じることも
- 腹痛:差し込むような痛みや、持続的な鈍い痛み。
- 吐き気・嘔吐:特にウイルス性腸炎で強く現れることが多い。
- 発熱:38度以上の高熱が出ることも。
- 全身倦怠感、頭痛、筋肉痛
最も注意すべきは脱水症状です。下痢や嘔吐で水分と電解質が失われるため、こまめな水分補給が重要です。乳幼児や高齢者は特に注意が必要です。
急性腸炎の検査・診断
診断の基本は、症状、食事内容、周囲の流行状況などを詳しくお伺いすることによる問診です。重症例や感染源の特定が必要な場合には以下の検査を行います。
血液検査
炎症の程度や脱水状態を評価
便培養検査
便を採取して、原因菌を特定(結果は数日かかる場合あり)
腹部エコー・CT検査
他の重篤な疾患(虫垂炎、憩室炎、虚血性大腸炎など)との鑑別が必要な場合に実施
急性腸炎の治療法
急性腸炎の治療は安静と水分補給が基本です。多くは対症療法で自然に回復します。
安静と水分補給
腸に負担をかけないよう体を休め、経口補水液(OS-1など)やスポーツドリンクを少量ずつ、こまめに摂取します。水分を受け付けないほど嘔吐が激しい場合や脱水が強い場合は点滴が必要となります。
薬物療法
● 整腸剤:腸内環境を整え、下痢を和らげる
● 解熱鎮痛剤:高熱や強い痛みの対処
● 制吐剤:吐き気が強い場合
● 抗菌薬:細菌性腸炎で症状が重い場合のみ使用(ウイルス性には効果なし)
自己判断での市販の下痢止め薬の使用は、病原体の排出を妨げ、かえって症状を悪化させることがあるため、注意が必要です。ウイルス性腸炎には抗生物質は効果がありません。
食事療法
症状が落ち着くまでは絶食や消化の良い食事に留めます。改善後は、おかゆ、うどん、すりおろしリンゴ、豆腐などを少しずつ再開。脂肪分の多い食事、食物繊維の多い野菜、乳製品、香辛料、アルコールは回復まで避けます。
大阪市東淀川区・上新庄で急性腸炎かもと思ったら

突然の腹痛や下痢はつらいですが、適切な対処で回復が可能です。症状が長引く、高熱が続く、血便が出る場合は、我慢せずに大阪市東淀川区・上新庄の当院までご相談ください。
【WEB予約はこちら】から24時間受付中です。