食道がんとは

食道がんは、食道の粘膜から発生する悪性腫瘍です。食道は、のど(咽頭)と胃をつなぐ管状の臓器で、食べ物を胃へ送り届ける重要な役割を担っています。
この食道の粘膜細胞ががん化して無秩序に増殖することで、食道がんは発症します。
初期の段階では自覚症状がほとんどなく、健康診断や人間ドックで受ける胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)で偶然見つかるケースも少なくありません。しかし進行すると、周囲の臓器へ広がったり、リンパ節や血液を介して転移することがあります。
日本では特に男性に多く、50代以降に増加する傾向があります。主な原因は飲酒と喫煙であり、生活習慣と深く関わるがんの一つです。
早期に発見し適切に治療すれば、根治を目指せる可能性は十分にあります。
当院(大阪市東淀川区・上新庄)では、食道がんの早期発見に役立つ精度の高い内視鏡検査を提供しています。胸やけや食べ物のつかえ感など、気になる症状がある方は早めの受診をおすすめします。
【WEB予約はこちら】から24時間受付中です。
食道がんの主な原因
食道がんのリスクを高める要因には以下があります。
飲酒と喫煙
飲酒と喫煙は、食道がんの二大リスクとされています。
特に、両方の習慣がある人は、リスクが相乗的に高まることが知られています。
○ 飲酒:アルコール分解時に生じる「アセトアルデヒド」は発がん性を持つ物質です。特にお酒で顔が赤くなる方は、酵素の働きが弱く、リスクが高いとされています。
○ 喫煙:タバコの煙に含まれる発がん物質が食道粘膜を直接刺激し、がんの発生を促進します。
逆流性食道炎とバレット食道
胃酸の逆流が長期間続くと「逆流性食道炎」から食道の粘膜が胃の粘膜に似た組織に置き換わってしまう「バレット食道」へと進行し、食道腺がんのリスクが高まります。
食生活の影響
熱い飲み物や辛い食べ物を頻繁に摂る習慣、野菜や果物不足もリスク要因とされています。
食道がんの症状
初期の食道がんは無症状ですが、進行すると以下の症状が現れることがあります。
- 食べ物がつかえる感じ、飲み込みにくさ
- 胸の違和感やしみるような痛み
- 声のかすれ(反回神経への影響)
- 慢性的な咳や血の混じった痰
- 体重減少
- 胸や背中の痛み
これらは他の病気でも起こり得ますが、症状が続く場合は自己判断せず、早めに専門医へご相談ください。
食道がんの検査方法
診断には複数の検査を組み合わせて行います。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
食道がんの発見・診断において最も重要な検査です。カメラを口または鼻から挿入し、食道の粘膜を直接観察します。がんの位置、大きさ、形状などを詳細に確認できるだけでなく、特殊な光(NBIなど)を用いて微小な早期がんを発見することも可能です。疑わしい部分が見つかった場合は、組織の一部を採取して顕微鏡で調べる「病理検査」を行い、がんを確定診断します。
CT・MRI検査
がんが食道の壁のどの深さまで達しているか(深達度)、周囲の臓器への広がり、リンパ節や肺、肝臓など他の臓器への転移の有無を調べるために行います。治療方針を決定する上で非常に重要な検査です。
超音波内視鏡検査(EUS)
内視鏡の先端に超音波装置がついており、食道の壁の内部をより詳しく観察できます。がんの深達度などを診断するのに有用です。
PET検査
がん細胞がブドウ糖を多く取り込む性質を利用して、全身へのがんの広がりを調べる検査です。CT検査などでは発見しにくい小さな転移を見つけるのに役立つことがあります。
食道がんの治療法
治療はがんの進行度(ステージ)、患者様の全身の状態、年齢などを総合的に考慮して決定します。
内視鏡治療(ESD):早期のがんに有効。体への負担が少ない。
がんが食道の粘膜内にとどまっており、リンパ節転移の可能性が極めて低い早期のがん(ステージ0)が対象となります。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)という方法で、口から入れた内視鏡を使ってがんを粘膜ごと剥ぎ取ります。体への負担が少なく、食道を温存できる点が特徴です。
外科手術:進行がんの場合に行い、食道や胃の一部、リンパ節を切除します。
がんが粘膜下層より深く浸潤している場合や、リンパ節転移の可能性がある場合に実施します。がんを含んだ食道と胃の一部、そして転移の可能性がある周囲のリンパ節をまとめて切除します。その後、胃や腸を使って食べ物の通り道を再建します。近年では、胸腔鏡や腹腔鏡を用いた低侵襲手術も広く行われています。
放射線治療:手術が難しい場合や再発予防に使用。化学療法との併用もあり。
高エネルギーのX線を体の外から照射して、がん細胞を破壊する治療法です。手術が困難な場合や、手術後の再発予防、骨転移による痛みの緩和などを目的に行われます。化学療法と同時に行う「化学放射線療法」は、手術と同等の治療効果が期待できる場合もあります。
化学療法(抗がん剤):点滴や内服でがん細胞の増殖を抑えます。
抗がん剤を点滴や内服で投与し、がん細胞の増殖を抑えたり、破壊したりする治療法です。手術の前後に補助的に行われたり、放射線治療と組み合わせたり、転移・再発した場合の中心的な治療として行われます。
治療は内科・外科・放射線科が連携する「集学的治療」が基本です。当院では、診断から治療方針決定、必要に応じた専門医療機関へのご紹介まで一貫してサポートいたします。
大阪市東淀川区・上新庄で食道がんかもと思ったら

食道がんは初期症状が乏しいため、早期発見が何よりも重要です。特に飲酒・喫煙習慣がある方や胸やけ・つかえ感が気になる方は、早めに胃カメラ検査を受けましょう。
大阪市東淀川区・上新庄で食道がん検査・診療をお探しの方は、ぜひ当院へご相談ください。
【WEB予約はこちら】から24時間受付中です。
【参考文献】
国立がん研究センター がん情報サービス「食道がん」
https://www.ncc.go.jp/jp/information/knowledge/esophageal/001/index.html