このような症状がある場合は蛋白尿かも…
- 尿が泡立ち、なかなか消えない
- 起床時、顔や足がむくんでいる
- 夜中に2回以上トイレに行く(夜間頻尿)
- 全身倦怠感
蛋白尿とは
尿の中には、老廃物、塩分、水分などが含まれています。しかし健康な人の尿には、タンパク質はほとんど存在しません。
蛋白(タンパク)尿とは、腎臓や膀胱など泌尿器系の臓器の障害によって、尿に異常な量のタンパク質が含まれていることを指します。
蛋白尿の基準値
尿中の蛋白量で、以下のように判定されます。
判定 | |
---|---|
0.15g/gCre未満 | 正常 |
0.15~0.5g/gCre未満 | 軽度 |
0.5g/gCre以上 | 高度 |
蛋白尿の原因となる主な病気
蛋白尿の原因となる疾患としては、以下のようなものが挙げられます。
糖尿病性腎症
糖尿病を放置していたり治療が十分でない場合、全身の血管が傷みやすくなります。腎臓の細い血管も障害され、血液をろ過する機能が低下し、蛋白尿が出ることがあります。
悪化すると、週3回、1回あたり4時間ほどの人工透析が必要になり、QOLが大きく低下します。
慢性糸球体腎炎
腎臓で血液をろ過し、尿をつくる「糸球体」で炎症が起こり、その機能が低下することで、蛋白尿が出ることがあります。
腎硬化症
高血圧などに伴う動脈硬化が腎臓の血管にも影響し、機能低下によって蛋白尿が出ることがあります。特に、ご高齢の方に多い病気です。
ネフローゼ症候群
多量のタンパク質が含まれる尿が排泄される状態を指します。むくみ、脂質異常症を伴うことが多くなります。
またその他、糖尿病性腎症や慢性糸球体腎炎に見られることもあります。
蛋白尿はストレスや激しい運動が原因の場合も!
蛋白尿は、必ずしも病的な原因によって起こるものではなく、以下のようなケースでも見られます。ただ、先述したような病気を原因として起こることもあるため、健康診断などで指摘されたときには、放置せずにお早目に当院にご相談ください。
- 風邪などに伴う発熱性の蛋白尿
- 激しい運動後に起こる運動性の蛋白尿
- 立ったときに蛋白尿が出る起立性の蛋白尿
蛋白尿が出ていると言われたら再検査を
糖尿病性腎症であっても、早期に発見し適切な治療ができれば、進行を食い止められる可能性も高くなります。放置すると人工透析、さらには移植手術が必要になることもありますので、蛋白尿を指摘されたときには早目に再検査を受けましょう。
またもちろん、すでに糖尿病の診断を受けている方は、糖尿病性腎症だけでなくその他の合併症を予防するためにも、しっかりと治療に取り組むことが大切です。