妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の原因とは?赤ちゃんへの影響や治療・予防方法も

 

妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)とは?

妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)とは、妊娠20週~分娩後12週の間に高血圧になる病気です。主な症状は蛋白尿や臓器障害など。妊娠高血圧症候群は以下の4種類に分類されます。

妊娠高血圧症

妊娠20週以降に高血圧を発症し、分娩後12週までに正常な状態に戻る。

妊娠高血圧腎症

高血圧・蛋白尿を伴い、肝腎機能障害全等の症状が現れる。蛋白尿は出ず、臓器障害のみがある場合も「妊娠高血圧腎症」とされる。

加重型妊娠高血圧腎症

妊娠20週以前に高血圧の診断を受け、20週以降に肝腎機能障害等を発症する状態。また、妊娠20週以前に蛋白尿があり、20週以降に高血圧を発症する場合もこう呼ばれる。

高血圧合併妊娠

妊娠20週以前に高血圧の診断を受け「加重型妊娠高血圧腎症」を発症していない状態

 

妊娠高血圧症候群にかかる原因

明確な原因は分かっていませんが、一説では血管内皮障害に伴う血管の異常収縮、血管凝固が原因と言われています。

 

妊娠高血圧症候群はどんな人がなりやすい?

妊娠高血圧症候群になりやすい人の傾向は、以下の通りです。

  • ・糖尿病、高血圧、腎臓疾患のある方
  • ・肥満または痩せすぎの方
  • ・もともと血圧が高めの方
  • ・多胎妊娠の方
  • ・35歳以上、15歳以下の方
  • ・以前の妊娠時に妊娠高血圧症候群になった方
  • ・高血圧の家族歴がある方

妊娠34週未満に発症したら要注意

34週未満の発症は早発型と呼ばれ、けいれん、脳出血や臓器障害等を発症するなど重症化の傾向があります。また、子宮内に十分な栄養や酸素が届かず、場合によっては胎児が死亡するリスクが出てくることもあるので要注意です。

 

妊娠高血圧症候群が母子に及ぼす影響

 

お母さんへの影響

子癇

妊娠20週以降に起きるけいれん。

HELLP症候群

溶血性貧血や血小板低下が起こる。

肺水腫

肺に水が溜まり呼吸が困難になる。

脳卒中

脳出血・脳梗塞・クモ膜下出血の総称。脳内の血液循環が障害される。

常位胎盤早期剝離

胎盤が出生前にはがれてしまう。

 

赤ちゃんへの影響

子宮内胎児発育遅延 胎児に十分な栄養が届かず発育が遅れる。
胎児機能不全 胎児が子宮内で酸素不足になる状態。出生後に障害が残る可能性もある。

 

 

 

妊娠高血圧症候群の検査方法は?

  • ⚫︎血圧測定
  • ⚫︎尿検査

その他、症状によっては血液検査や頭部MRIやCT検査などを行います。

 

 

妊娠高血圧症候群の治療方法

治療方法としては「安静」が基本となります。休息を取ると交感神経の緊張が和らぎ、血圧が下がりやすくなります。

軽度の場合

通院で経過観察をしながら、食生活等を通し血圧をコントロールします。当院では管理栄養士が患者様一人ひとりに合ったメニュー、食事の摂り方をご提案することができます。

重度の場合

入院治療が必要になります。安静と食事管理、必要に応じて薬の内服等を行います。場合によって緊急帝王切開や分娩誘発が行われます。転院が必要になった際には提携する病院をご紹介します。

 

 

妊娠高血圧症候群の予防方法

 

塩分を摂り過ぎない

塩分はリスク要因になるため、妊娠中はやや薄味を心掛けましょう。

ストレスを溜めない

ストレスを感じたときにはしっかり発散することも大切です。

適正体重の維持

食事・運動によって体重をコントロールしましょう。

 

 

玉谷クリニックでは、予防と分娩後のサポートも行います!

妊娠高血圧症を発症したお母さんは、加齢とともに高血圧症を発症することがあります。産後も健康的な生活習慣で、高血圧の予防に取り組みましょう。

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