こんにちは。高齢者の糖尿病についてのコラムもいよいよ残り2回となります。第9回目は高齢者糖尿病の低血糖について見ていきたいと思います。最後までお付き合い宜しくお願い致します。
高齢者は腎機能や肝機能が低下している方が多く、そのような方が血糖を下げる薬を服用すると、薬を排泄・分解する力が弱いために、薬が効きすぎて低血糖になったり、副作用が出たりすることがあります。また、高齢者は低血糖のときに、自律神経症状である「汗をかく」「ドキドキする」「手が震える」等の症状がはっきり出ない場合があります。また、「頭がくらくらする」「目がかすむ」「ろれつが回らない」「元気がない」など低血糖の典型的ではない症状を示すため、低血糖状態が見逃されやすく、結果として重症低血糖を起こしてしまう事があります。スルホニル尿素薬(SU薬)や速効性インスリン分泌促進薬(グリニド薬)を飲まれている方や、インスリン治療を受けらている方は、重症低血糖を起こす可能性があります。又、高齢者のみならずですが、認知機能障害、ADL低下、腎機能障害(eGFR60ml/分/1.73㎡未満)、うつ、BMI低値、無自覚性低血糖の既往を有する方も重症低血糖の高リスクとなります。
低血糖に対する対策をいかに示しますのでご参考下さい。
血糖コントロールの目標について主治医とよく相談し、ご自身が自覚されている症状についてよくも伝えましょう。また、食事が十分にとれていない状況や、体調が悪いときに(シックデイ)これらの薬を使い続けると、血糖が下がりすぎることがありますので特に注意が必要です。低血糖にならないようにするための注意点や低血糖になったときの対応方法についても主治医や薬剤師、看護師に確認をとった方がよいでしょう。ご自身の服用しているお薬がわからない方は、一度確認するようにしてください。
当院では生活習慣に関する指導から糖尿病の専門的な治療まで手厚いサポートをお約束いたします。また栄養管理士や糖尿病療養指導士も在籍しており、専門的な治療により早期発見・早期治療に努めております。気になられることはぜひ当院まで気軽にご相談ください。