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2019.08.04

高齢者の糖尿病②~高齢者糖尿病と認知機能、身体機能障害~

こんにちは。いつも院長コラムをご愛読いただきありがとうございます。
前回Vol.6号から始まりました高齢者糖尿病の第2回になりますが、今回は高齢者の血糖コントロールについてお話させて頂きます。
高血糖は糖尿病細小血管症および大血管症の危険因子となります。特に高齢者は注意が必要です。一方で低血糖に関しても、転倒やQOLの低下を招くだけでなく、重症の場合は認知症、心血管疾患、死亡の危険因子となります。従って、低血糖に注意を払いながら、適切な血糖コントロールを行う必要があります。

高齢者の糖尿病の治療目標は、通常のケースで考慮される年齢、罹病期間、低血糖の危険性、医療提供体制等に加え、認知機能や基本的ADL、手段的ADL、併存疾患を考慮して個別に設定する必要があります。ただし、ここで一つ注意が必要となりますが、加齢に伴って重症低血糖の危険性が高くなっていく事を忘れてはいけません。

血糖コントロールの目標(HbA1c値)は認知機能、ADLなどの評価に基づき3つのカテゴリーに分け、さらに重症低血糖が危惧される薬剤(SU薬やインスリンなど)の使用の有無を考慮して設定致します。

血糖コントロールの目標(HbA1c値)

カテゴリー分類を行う為の認知機能やADL評価には下記の認知・生活機能質問票(DASC-8)を用いても良いでしょう。

認知・生活機能質問票(DASC-8)

75歳以上で重症低血糖のリスクが危ぶまれる薬剤を使用している場合の、カテゴリーⅠとⅡでのHbA1c値の目標値は8.0%未満となり、カテゴリーⅢでの同値の目標値は8.5%未満となり、いずれも目標値より1.0%低い値に下限値を設定致します。一方で、重症低血糖が危惧される薬剤を使用しない場合の目標値はカテゴリーⅠ、Ⅱでは7.0%未満、カテゴリーⅢでは8.0%未満であり、目標下限値を設定致しません。

当院では生活習慣に関する指導から糖尿病の専門的な治療まで手厚いサポートをお約束いたします。また栄養管理士や糖尿病療養指導士も在籍しており、専門的な治療により早期発見・早期治療に努めております。気になられることはぜひ当院まで気軽にご相談ください。

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