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2024.05.18

ケトン体とは?ケトジェニックダイエットのメカニズムやリスクまでわかりやすく解説

目次

ケトン体とは?
「ケトジェニックダイエット(ケトン体ダイエット)」のメカニズム
ケトジェニックダイエットを自己判断で行うのは危険?
妊娠中、尿検査でケトン体が検出されたら「妊娠悪阻」かも

ケトン体とは?

ケトン体とは、体内で脂肪分から生成される物質のことで、糖分が不足した時に代わりとなってエネルギー源の働きをします

糖尿病でインスリンの働きが弱まり、体内で糖分をエネルギーに変換できない場合は、脂肪分がエネルギー源となるため、血液中のケトン体が多い傾向になります。

また、妊娠中でつわりで思うように飲食ができない場合に、つわりの重症度を見極める一つの基準として尿の中のケトン体の値が確認されることもあります。

「ケトジェニックダイエット(ケトン体ダイエット)」のメカニズム

ケトジェニックダイエットとは、体内で糖分からエネルギーを作ることができない時に、脂肪分からエネルギーが作り出されるしくみを利用した減量方法です。

糖質の摂取量を制限して体内の糖分を意図的に減らし、その代わりに脂肪分からエネルギーの生成を促すことで体脂肪を減らすというメカニズムを基に行われます。

ケトジェニックダイエットは医療の現場でも心疾患やアルツハイマー病、癲癇などに対する食事療法として認められており、体質や病状によっては治療に有効なダイエット法とされています。

ケトジェニックダイエットを自己判断で行うのは危険?

体内でケトン体が作られるしくみは、上述した通りダイエットや食事療法に応用されています。しかし、体内でケトン体が増加することは正常な状態ではなく、あくまでも身体が平常通り機能するための働きだと考えることが大切です。

ケトジェニックダイエットでは、以下のような副作用が現れることがあるため、自己判断で行う際には十分な注意が必要です。

<急性症状として>
・胃のむかつき
・吐き気
・無気力状態

<慢性的な症状として>
・LDLコレステロールの増加
・ミネラル不足
・尿結石

「アシドーシス」のリスクも

ケトン体が体内で増加すると、前述した症状を招くことに加え、血液が酸性に傾く「アシドーシス」の状態を引き起こすことがあります。

ケトン体は酸性のため、体内で増加すると血液を酸性にします。アシドーシスがケトン体に由来する場合を「ケトアシドーシス」と呼び、この状態を放置すると、呼吸困難、意識障害に至る恐れがあります。

ケトアシドーシスは全身倦怠感、吐き気・嘔吐、腹痛などの症状に始まり、最終的に意識障害や昏睡状態を引き起こします。ケトアシドーシスの症状が現れた場合には、命の危険を招くこともあるため、早急に医療機関を受診する必要があります。

妊娠中、尿検査でケトン体が検出されたら「妊娠悪阻」かも

妊娠中の尿検査でケトン体が確認される場合は、つわりが重症化した「妊娠悪阻」の可能性が考えられます。

妊娠悪阻では、上述したケトアシドーシスのほか、ビタミンB1不足によって脳幹部で出血がある「ウェルニッケ脳症」という病態が現れることもあります。

妊娠悪阻と診断された場合には、点滴で必要な栄養分を補充し、脂肪分ではなく糖分からエネルギーの生成が行われるよう、体内の栄養バランスを整えていきます。

つわりでケトン体が出るメカニズム

つわりで飲食ができない状態が続き、嘔吐を繰り返すことで体が糖不足になると、体内では脂肪分からエネルギーを作り出そうとする働きが促されます。そのため、血液中のケトン体が増加し、尿と一緒に体外に排出されるようになります。

ケトン体の放置には要注意

体内においてケトン体は、糖分なしでも生成が可能なエネルギー物質という、身体の機能を維持する上での重要な役割を果しています。

しかし、体内でケトン体が増加する状態が続くと、血液が酸性になり、ケトアシドーシスのような重篤な状態を招く場合もあります。

ケトン体のしくみを用いてダイエットを行う場合は、医師や専門家の監修のもと、体内のケトン体の量を管理しながら行うことが大切です。

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