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2024.05.18

耐糖能異常の症状とは?診断基準や改善方法まで徹底解説

目次
耐糖能異常とは?
耐糖能異常の症状は?
耐糖能異常の診断基準
耐糖能異常には食事療法も有効

耐糖能異常とは?

耐糖能異常とは、空腹時血糖値が正常の値よりも高い傾向にあり、食後の血糖値が目立って高くなる状態を指します。

体内で血糖値を下げるホルモン「インスリン」の分泌が正常値と比べて少ない場合や、インスリンがうまく機能しなくなり血中に糖の量が増える場合などに起こるとされています。

耐糖能異常は「糖尿病予備軍」や「境界型糖尿病」ともいわれ、進行すると糖尿病につながります。

従来、糖尿病は肥満と結び付けて考えられることが多くありましたが、耐糖能異常はやせ型の若い女性にも多いということが近年の研究で解明されました。

この理由としては、やせ型の女性の筋肉量や活動量の少なさが、体内のインスリンの分泌量や働きに影響していることがあげられます。

耐糖能異常の状態の血糖値では、糖尿病の合併症は起こりにくいとされています。しかし、高血糖が続くことで動脈が硬くなり血液の流れが阻害される「動脈硬化」のリスクは糖尿病と同様にあるため、注意が必要です。

耐糖能異常と診断された場合には血糖値の変動を正常値の範囲内で保つよう努める「血糖コントロール」を行うことが大切です。

耐糖能異常の症状は?

耐糖能異常の症状には以下のようなものがあげられます。

なお、耐糖能異常が軽度である場合には、自覚症状がないこともあります。

・尿量が増える

血液中のブドウ糖が増える、高血糖の状態が続くと、腎臓が糖を水分と共に体外に排出しようとするため尿量が増加します。

・のどの渇きがある

高血糖により糖が水分と共に排出されるため、体は脱水状態になり、のどの渇きを感じることがあります。

・食べてもお腹が空く感じがする

食後に血糖値が急上昇すると、体内では血糖値を下げるためにインスリンの働きが活発になります。これによって血糖値が激しく上下するため、食欲をコントロールするホルモンが上手く作用せず、「食べたばかりなのにお腹が空く」と感じる状態を招きます。

・倦怠感や疲れやすさを感じる

通常、体はブドウ糖をエネルギー源として取り入れますが、高血糖状態でインスリンが正常に働かない場合は、ブドウ糖を血液に取り込むことが出来ず、体がエネルギー不足を感じます。これが「疲れやすい」「だるい」と感じる状態を作り出します。

・尿にタンパクが出る

血糖値が高い状態が続き、血液をろ過する働きのある腎臓の血管が痛むと、ろ過機能が弱くなるため、血液内のタンパク質が尿に混ざって排出されるようになります。

・むくみが出る

高血糖が続くと血管が傷み、血液中の水分が血管外にしみ出るようになります。それにより皮下の余分な水分によって腫れが起こる、むくみが引き起こされます。

耐糖能異常の診断基準

耐糖能異常は以下のような方法で診断されます。

・空腹時の血糖値を計測
空腹時の血糖値が 110~125mg/dlの場合、耐糖能異常とされる
※空腹時血糖が126 mg/dlの場合、他の診断基準と合わせて糖尿病が確定される

・経口ブドウ糖負荷試験を実施して計測
(一定の時間絶食した後、ブドウ糖が含まれる飲料を飲み、採血して血糖値を測定する)
負荷試験実施後2時間の血糖値が 140~199mg/dl の場合、耐糖能異常とされる

耐糖能異常には食事療法も有効

耐糖能異常には食事療法や運動療法が有効です。食事療法では、血糖値の上昇を緩やかにするため、野菜や食物繊維を食事の始めにたっぷり摂ることが推奨されます。

食べ過ぎない量を意識しながら、バランスの良い規則的な食事を摂ることで、体を健康な状態に導きます。

運動療法では、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動と、筋肉に無理のない負荷をかけて行う筋力トレーニングを組み合わせることが効果的とされています。これらの運動によってブドウ糖が細胞内に取り込まれるとインスリンの働きが促進され、血糖値が下がりやすくなります。不定期に行うと効果が薄れてしまうため、日常的に取り入れることが大切です。

食事療法や運動量だけでは血糖のコントロールができない場合には、これらと併せて薬物療法が取り入れられます。薬物療法には血糖降下薬の服用のほか、血糖値を下げる働きのホルモン「インスリン」や「GLP-1」を注射する方法があります。服用する薬の種類には、インスリンの分泌を促すものや、インスリンの働きを改善するもの、体内で糖の吸収するものなど様々な種類があり、患者さんの体質や病状によって処方されます。

耐糖能異常と診断されたら、血糖値コントロールを始めましょう

通常よりも血糖値が高くなる耐糖能異常は、糖尿病の前段階と言われています。診断された場合には食生活の改善や運動の習慣化などを行う血糖値コントロールを開始し、耐糖能異常の状態が糖尿病へ進行することを予防しましょう。血糖値コントロールについてご質問があれば、お気軽に当院へご相談ください。

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