足がつる・こむら返りってどんな状態?
「足がつる」という状態は、筋肉の伸縮バランスが崩れて異常な収縮が戻らなくなってしまい、痙攣することで発生します。
「こむら返り」のこむらとは、ふくらはぎのこと。メカニズムとしては「足がつる」時と同じことが起こります。糖尿病の方は、足がつったり、こむら返りになったりしやすい傾向にあります。夜間や安静時によく足がつるという場合には注意が必要です。
足がつる原因とは?
足がつる主な原因は、脱水・脚の血行不良・ナトリウムやカリウムなどの電解質のバランスの変化など。以下では日常生活のなかでの具体的な原因をご紹介していきます。
夜間の冷え・脱水
就寝中に身体が冷えたり汗をたくさんかいたりすると、血行が悪くなり、足がつることがあります。寝る前にコップ一杯の水を摂取し、適切な室内温度で体を温めて眠ることで予防ができます。
筋肉への負荷
日頃運動不足の方が急に激しい運動をした時だけでなく、普段運動をしている方が突然運動量を増やした時などは、筋肉に負荷がかかって足がつる場合があります。
運動前には必ずウォーミングアップや水分補給を行い、ご自身に適した運動量で体を動かすことが大切です。
糖尿病
主に糖尿病のなかでも日本人の糖尿病患者の九割以上を占める「2型糖尿病」の方は、足がつりやすいとされています。
はっきりとした原因は解明されていませんが、血流の滞りや、手足に張り巡らされている末梢神経に障害が起こることで足がつりやすくなるといわれています。
熱中症
汗をかくことにより「電解質」という筋肉細胞を働かせる栄養素が体から失われると、手足がつりやすくなります。マグネシウムなどの電解質を含むミネラルウォーターや、スポーツドリンクを飲むと予防できますよ。
足がつった時の治し方は?
足がつった時は以下の手順で対処してみてください。
痛みに驚いて急に筋肉を動かすと肉離れなどで更に悪化してしまうこともあるので、慌てずゆっくり行いましょう。
- ①リラックスして全身の力を抜く
- ②ゆっくり動かして楽な体勢を見つける
- ③優しく伸ばしていく
- ④足首を回し、筋肉のこわばりをほぐす
- ⑤膝を立てて安静にする
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足がつる・こむら返りの予防法
足がつったり、こむら返りを起こしたりするのはイヤですね。ここからはこむら返りを予防する方法をご紹介します。日常的にできる対策もありますので、ぜひ実践してみてください。
水分補給
汗をかくと体内から水分とミネラルが失われ、足がつりやすくなります。運動して汗をかいた時や就寝前は、しっかり水分補給をしましょう。
のどの渇きを感じないうちから、こまめに摂取することをおすすめします。
身体を冷やさない
身体が冷えると筋肉が収縮し、足がつりやすくなります。夏場の就寝時は、エアコンで身体を冷やし過ぎないよう適切な温度に設定しましょう。寝汗で冷えないよう、パジャマを綿素材など吸水性の高いものにすることも大切です。
シャワーで済まさず湯船に浸かる
季節を問わず、できるだけ湯船に浸かりましょう。身体を温めると、筋肉がリラックスして、足がつりにくくなります。お風呂上りは水分が失われているため、しっかりと水分補給をしてくださいね。
食事内容に気をつける
筋肉の動きに関連するカルシウムやマグネシウム、疲労回復効果が期待できるタウリンやビタミンB1、クエン酸などを意識して摂取しましょう。
夏場は体が冷えるのを避けるため、冷たいものばかりを摂らないよう気をつけてください。
血糖コントロール
すでに糖尿病の診断を受けている方は、治療に専念し適切に血糖をコントロールすることで、足がつりにくくなります。糖尿病の診断を受けていない方で、頻繁に足がつる場合は一度検査を受けましょう。
頻繁に起こる場合、糖尿病によるものか検査が必要です
糖尿病の方は、そうでない方と比べて足がつりやすい傾向にありますが、よく足がつるからといってすぐに糖尿病だと心配する必要はありません。
大切なのは、検査を受け、糖尿病を含めた病気の有無を確認することです。症状が気になる方は一人で悩まず、ぜひ一度当院にご相談ください。
検査の種類
当院で行っている検査の種類は、以下の3つです。
腱反射用のハンマーで、膝やアキレス腱を叩くことで正常な反射が起こるか確認を行います。
音叉を振動させ、踝の内側に当てることで、振動を感じるかどうか・振動を何秒後に感じられなくなったかの確認を行います。
モノフィラメントという細い糸や、筆などを用いて触れている感覚の減弱が起こっている箇所があるかどうか確認を行います。
当院では食事指導や漢方治療も行っています
検査を受けて糖尿病などが原因だと分かった場合も、そうでない場合でも、頻繁に足がつると日常生活に支障が出てきてしまいます。
当院では、食事指導や漢方治療などを通し、足がつる回数を減らして快適な毎日を送るためのサポートもしております。食事指導については、栄養士と協力しながらエビデンスに基づいた指導を行うことができますので、安心してご相談くださいね。
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