高齢者の糖尿病③~高齢者糖尿病の病態生理について~|院長コラム|大阪市東淀川区 上新庄近|玉谷クリニック

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院長コラム Vol.9

2020/3/27

高齢者の糖尿病④~高齢者の糖尿病治療について~

こんにちは。高齢者の糖尿病について、第4回目となります今回は、実際の治療についてお話を進めて参りたいと思います。今回は食事療法と運動療法になりますが、是非本コラムをご覧頂き、日常生活に取りいれて頂ければと思います。最後までお付き合い宜しくお願い致します。

まず大前提ですが、糖尿病の治療はいきなり薬剤による治療ではなく、食事・運動療法で血糖のコントロールを行って参ります。食事や運動にて改善が見られない場合に薬物療法が施されることをご認識ください。
食事療法は高血糖、脂質異常症あるいは肥満の是正に有用です。しかし、高齢者糖尿病においては栄養の摂りすぎ(過栄養)だけでなく、低栄養にも注意が必要であり、両方に配慮した食事療法を行う必要があります。低栄養はADL(移動・排泄・食事・更衣・洗面・入浴などの日常生活動作)の低下や骨格筋量と骨格筋力の低下(サルコペニア)につながるばかりか、死亡率の増加につながります。意図しない体重減少や食事摂取不足がある場合は低栄養となっている事が考えられますので原因を精査する必要があります。75歳以上の後期高齢者の体重減少は筋肉量の低下につながる事も注意が必要です。極端なエネルギー制限を避けて、低栄養あるいはサルコペニア、フレイル(詳しくは院長コラムVol.1をご覧ください。)など低栄養リスクがある場合では特に注意して十分なエネルギーを摂取して頂く必要があります。フレイル、サルコペニアの予防のためには、特に重度の腎機能障害がなければ、十分なたんぱく質摂取が推奨されます。野菜の十分な摂取は血糖コントロールの観点からも推奨されます。又、減塩は食事摂取量低下やQOL低下に注意して行って下さい。味が適度に濃いものは確かに美味しいですが、その分塩分を過量に摂取し高血圧の原因にもつながります。一方で薄すぎると旨味も感じず、食事量の低下や食事の楽しみを失ってしまいます。何事も中庸が一番ですね。

高齢者の糖尿病治療について

次に運動療法について解説致します。高齢者の運動療法は単に代謝異常の是正だけに留まらず、生命予後、ADLの維持、認知機能の低下の抑制にもつながってきます。筋肉に繰り返し負荷をかける「レジスタンス運動」と呼吸を行いながら筋肉を動かすウォーキングやサイクリング、水泳など、比較的負荷が軽い運動である「有酸素運動」を組み合わせて重なう事が望ましいと言われております。これは900人以上の2型糖尿病患者を対象とした調査で明らかになっており、ウィーン大学のルーカス シュビングシャクル氏により欧州糖尿病学会(EASD)が発行する医学誌「ダイアベトロジア」に発表されております。
 歩行などの「有酸素運動」は週4日以上、少なくとも30分/回以上行う事が望まれます。坐位、または臥位の時間を減らし、社会参加を促す事で身体活動量を増やしましょう。「レジスタンス運動」は不可を掛けて行う筋力トレーニングで、血糖を改善し、筋力を増やし、QOLを改善する効果があります。椅子を使ってのスクワット、ロコトレ(片脚立ちとスクワットの2種類のトレーニングで、バランス能力をつけることが出来ます。)などがあり、お住いの市町村の運動教室やトレーニングジム、介護保険のデイケアなどを利用して頂き、週2回以上行う事が望まれます。
 骨・関節疾患、虚血性心疾患、糖尿病性腎症4期やネフローゼ症候群、増殖性網膜症などを有する例では、運動療法時にメディカルチェックが必要となります。

メディカルチェック

当院では生活習慣に関する指導から糖尿病の専門的な治療まで手厚いサポートをお約束いたします。また栄養管理士や糖尿病療養指導士も在籍しており、専門的な治療により早期発見・早期治療に努めております。気になられることはぜひ当院まで気軽にご相談ください。