高齢者の糖尿病②~高齢者糖尿病と認知機能、身体機能障害~|院長コラム|大阪市東淀川区 上新庄近|玉谷クリニック

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院長コラム Vol.8

2020/2/19

高齢者の糖尿病③~高齢者糖尿病の病態生理について~

こんにちは。高齢者の糖尿病について、第3回目となります今回は、糖尿病の病態生理と、「シックデイ(体調の悪い日)」ついてお話させて頂きます。最後までお付き合い宜しくお願い致します。

高齢者の糖尿病治療と言いましても、非高齢者の場合と同様、食事・運動・薬物治療が基本となります。常にインスリンを注射して補う必要がある状態では当然ながらインスリン療法が基本となりますが、インスリンが分泌されているのに、その効き目が悪くなって、血糖値が高い状態(2型糖尿病でみられます)では、食事・運動療法が基本となり、改善が見られないケースでは薬物療法も加えます。

1型糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島と呼ばれる部分にあるβ細胞が障害されてインスリンを産生できなくなった結果、高血糖状態が続き、生存を危うくする病態ですが、高血糖を是正し生存するために、注射によってインスリンを補う治療が必要となります。一般に1型糖尿病は子供や青年に多く発症すると言われておりますが、高齢者においても発症するケースがありますので注意が必要です。1型糖尿病または2型糖尿病でもインスリン分泌低下が疑われる場合は血液検査で血中CRP(体内に炎症が起きたり、組織の一部が壊れたりした場合に増えるたんぱく質の値)を測定し、低値であればインスリン治療を行います。

高齢者糖尿病の病態生理について

2型糖尿病にはインスリンは分泌されているものの、働きが悪くて血糖値が下がらない(インスリン抵抗性)場合や、分泌そのものが減っている(インスリン分泌低下)場合がありますが、2型糖尿病でも経過中に血糖コントロールが悪化した場合は、緩徐進行1型糖尿病を疑い、抗GAD抗体(インスリンを出しているすい臓のβ細胞を自ら攻撃している抗体)を測定致します。この検査は1型糖尿病の診断をする場合の重要な検査となります。
高血糖で意識障害があるケースや消化器症状を伴う場合は、尿ケトン体などを測定致します。ケトン体とは、肝臓で脂肪が分解されてつくられる物質で、エネルギー源の一種です。糖尿病の患者さんで治療が不十分な場合は、体内のインスリンの量が不足したり、効き目が悪くなったりして、エネルギー源であるブドウ糖をうまく利用することができません。そこで肝臓は、ブドウ糖の代わりのエネルギー源としてケトン体を大量につくります。その結果、尿中にもケトン体が排出され、尿検査で検出されるようになります。1型糖尿病で、インスリンを十分に補わないと、血糖値が上がり続け、ケトン体が血液中に蓄積し、体液のpHが酸性に傾いた状態であるケトアシドーシスをきたします。この状態では細胞が損傷を受け、さらに脱水が加わると意識障害(ケトアシドーシス昏睡)を起こします。最近、清涼飲料水をたくさん飲むうちに、糖尿病性ケトアシドーシスに陥るという深刻な問題がおきているようです(ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス))。
インスリン非依存状態で食事・運動療法を2~3ヵ月続けても血糖コントロールが不十分である場合は、経口血糖降下薬やGLP-1受容体作動薬の開始を検討する必要があります。お薬の話は先のコラムで詳しくご紹介させてもらいますが、検査をしっかり受けて頂き、血糖値が高い原因が何であるかを調べる事が重要であることはお判りいただいたかと思います。原因を特定して、その病態に合わせた治療をご提案させて頂きます。

又、糖尿病患者においては「シックデイ(体調の悪い日)」というのがあります。発熱、嘔吐、食欲低下などを伴う急性疾患が併発すると、ストレスホルモンの分泌亢進やインスリン抵抗性が増悪し、血糖コントロールが悪化しやすくなる状態の事を言います。風邪を引いた時に血糖の値が上がる事がありますが、まさにこの「シックデイ」であります。又、一方で十分な食事摂取が出来ない事から低血糖も合併することがあります。高齢者は複数の疾患に罹患している事も多く、非定型的な症状を呈することがあるために「シックデイ」に気づきにくい事がある点にも注意が必要です。「シックデイ」対策として以下を考慮する必要があります。

シックデイ対策

当院では生活習慣に関する指導から糖尿病の専門的な治療まで手厚いサポートをお約束いたします。また栄養管理士や糖尿病療養指導士も在籍しており、専門的な治療により早期発見・早期治療に努めております。気になられることはぜひ当院まで気軽にご相談ください。