糖尿病と運動・栄養~②食事療法のすすめ~|院長コラム|大阪市東淀川区 上新庄近くの玉谷クリニック

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院長コラム Vol.5

2019/4/26

糖尿病と運動・栄養~②食事療法のすすめ~

こんにちは。前回、今回と糖尿病の血糖コントロールに影響を及ぼす、運動と栄養についてお話させて頂きます。前回のコラムをご覧頂き、ウォーキングの機会などは増えましたか?ちょっとした心がけで生活習慣は大きく変わります。まずは少しずつからでも始めてみましょう。

今回は食事療法についてみていきましょう。
近年、「カロリー制限が、減量効果や糖尿病の食事療法に有効である」という常識(!?)が否定されつつあります。新たに提唱されていますのが「糖質を制限する」ことですが、最近の糖尿病学会を含め各種学会で糖質を制限する事の必要性に関して色々な知見が示されております。そう言えば、皆さまの身の回りにも「糖質OFF」の食品や飲料が増えてきているような気がしませんか。

血糖値を上げる原因はその名の通り「糖質(≒炭水化物)」ですので、糖質を控えることで、血糖値を下げるインスリンの分泌が抑えられます。糖質制限により糖質は控えますが、反対に三大栄養素のうち、たんぱく質、脂質、食物繊維は血糖値を上げないので、カロリーを気にせずに、これらの食品をたっぷりと摂ることができます

 糖質制限に詳しい江部康二先生は自身の糖尿病の治療として糖質制限食を食事療法として実践され、ダイエットに成功しただけでなく糖尿病も克服されました。江部先生の食事療法はごはんやパン、麺類を控えて、おかずでお腹を満たしたそうです。糖質制限食(ロカボ)については本コラムVol.2を参照下さい。

いわゆる健康な人は食事をした後も必要量のインスリンが分泌され血糖値を正常に保ちますが、糖尿病の人は、食後急激に血糖値が上昇し、なかなか下げられません。それだったら、血糖を上げないような食事にすれば良いのではないか、と言うのが糖質制限食の考え方です。糖尿病は血糖を下げるインスリンと血糖のバランスが狂ってしまう病気です。糖尿病の方やその予備軍の方はいついかなる時も血糖値をコントロールすることが大切です。それは血糖値が良好にコントロール出来ていれば合併症や他の生活習慣病にかかるリスクが低下するからです。

以下に糖質制限を行うコツとしての10か条を記します

糖質制限10か条 ~主食を抜けば糖尿病は良くなる2[実践編]著者江部康二より~

又、完全にご飯やパン、麺類を控えるのは難しい場合においても緩やかな糖質制限食(ロカボ)として1食あたりご飯をお茶碗半膳に減らします。食パンなら半分、イモ類は糖質ですので、それを抜いたおかずを多目に食べる事で満足感が得られます。
  ロカボ・ダイエット先進国のアメリカにおいて草分け的存在のバーンスタイン先生は、糖尿病専門医であり、自身のI型糖尿病の治療法を模索する中、糖質を控えることにより血糖値コントロールが良好になることを発見しました。1食あたりの糖質量を43g以下とし、1日130g以下を目標とします。

そして、もう一つ大事な点として、食べる順番も考えるという事が挙げられます。最近の研究では、ご飯を食べる時に、たんぱく質、脂質、食物繊維(野菜)のおかずを一緒に摂ると、ごはんとおかず2品(例:たんぱく質、脂質)、もしくはご飯のみと比べて、食後の血糖値が上がりにくくなることが明らかになっております。

ご飯やパンなどを食べる際は、お肉やお魚、野菜などのおかずをまずは食べてから、最後にご飯やパンを食べると良いでしょう。最初は糖質の少ないおかずをたっぷり食べ、ある程度空腹が満たされれば、ご飯やパンの量が少なくても空腹感は満たされるので、満足頂けると思います。

また、ご飯と一緒に食べるおかずを作ろうと思うと、どうしても味が濃くなってしまいがちですので、おかずだけを食べようと決めて料理をした方が、薄味となり結果的に減塩対策にもなります。

そして、当たり前と言えば当たり前ですが正しい食行動をすることが大切です。1日3食きちんと食べることが大切で、忙しくてもなるべく食事を摂り、まとめ食いは避けましょう。一気に大量に食事を摂ると血糖値の動揺を大きくし肥満になりやすくなってしまいます。早食いも肥満のもとになりますのでゆっくりかんで食べましょう。厚生労働省は「噛ミング30」(カミングサンマル)を提唱していますが、これは一口で30回噛むことを目標にし十分に歯・口を使う「食べ方」を通じて健康の維持増進を図ろうとしているものです。ちなみに、よく噛んで食べる事は2つのメリットにもつながります。まず1つは満腹中枢が刺激され満腹感を得られるので、食べ過ぎを防ぐことができます。これは基本原則の1つ目の食事量を制限し体脂肪率を減らすことにつながりますね。又、よく噛むことで唾液の分泌が促されますので、唾液が口の中の細菌を洗い流し、むし歯や歯周病の予防にも役立ちます。唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素がでんぷんを分解し、消化吸収を助けてくれますので味覚も発達してよく味わえるようになります。

糖尿病の食事療法や運動療法は、糖尿病だけではなく、他の生活習慣病の治療や予防のためにも効果があります。皆さん、是非御自分の生活に取り入れて頂ければと思います。

当院では生活習慣に関する指導から糖尿病の専門的な治療まで手厚いサポートをお約束いたします。また栄養管理士や糖尿病療養指導士も在籍しており、専門的な治療により早期発見・早期治療に努めております。気になられることはぜひ当院まで気軽にご相談ください。