糖尿病と運動・栄養~①運動療法のすすめ~|院長コラム|大阪市東淀川区 上新庄近くの玉谷クリニック

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院長コラム Vol.4

2018/11/12

糖尿病と運動・栄養~①運動療法のすすめ~

こんにちは。前々回前回と、メタボ対策についてご紹介いたしましたが、そのメタボと密接に関連する糖尿病、その対策としての運動と栄養について2回にわたりお話させて頂きたいと思います。今回は特に運動療法についてお話させて頂きますので、普段なかなか運動が出来ていないという方でも、ちょっとしたことからでも結構ですので、始めて頂ければと思います。

メタボ(メタボリックシンドローム)とは内臓肥満(内臓脂肪の蓄積)があり、血圧脂質値血糖値のうち2つ以上に異常を認める症候群のことをさします。
私たちが生きていく為の大切なエネルギー源として、血液中にブドウ糖が存在致します。このブドウ糖がなくては生きていけませんが、多すぎてもよくありません。糖尿病とは、この血液中のブドウ糖(血糖)が多くなる病気のことです。この血液中のブドウ糖の割合を血糖値と呼びます。この血糖値が高くなりすぎてしまう状態が続く事を糖尿病と言いますが、その原因の一つとしてインスリンというホルモンが関与しております。インスリンとは主に肝臓や筋肉、脂肪組織に働きかけ、ブドウ糖を体内に取り込み、体内に蓄え、エネルギー源として使うことができる状態にしてくれるホルモンですが、このインスリンが足りなかったり働きが悪いと糖尿病を発症してしまいます。インスリンの分泌が十分であるのにも関わらず、肝臓や筋肉への糖の取り込みが増えず、肝臓からの糖放出にブレーキがかからなくなり高血糖となってしまう事をインスリン抵抗性と呼びます。インスリン抵抗性はメタボの方に多くみられることから、インスリン抵抗性は、血糖値だけでなく血圧やコレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)の代謝にも影響すると考えられております。

近年の日本では糖尿病の患者さんが急速に増え、大きな社会問題となっています。
その原因は、食生活の欧米化にあると言われており、欧米食はカロリーが高く、内臓脂肪が蓄積しやすいのです。内臓脂肪型肥満のうえに運動が不足すると、必要なインスリンは通常の数倍にもなります。しかし、日本人はもともとの体の仕組みとして、欧米人よりもインスリンを分泌する量が少ないのです。つまり、日本人は軽度の肥満でも糖尿病になりやすい民族なのです。
又、糖尿病になる要因には、遺伝的要因だけではありません。現代の生活習慣とも密接に関連しています。皆さまは“食べすぎ”“運動不足”“ストレス”といった生活習慣はありませんか?

遺伝的要因と環境要因としての生活習慣が複数組み合わさり糖尿病になると考えられていますが、実際に糖尿病を患ってしまった場合、治療法としてはまず食事療法運動療法を基本と致します。しかし、それでも改善できない場合は薬物療法を追加して行いますが、まずはしっかりと運動を行い、栄養管理を致しましょう。 
最近の研究では、太っていなくても脂質代謝異常(主にコレステロールや中性脂肪)を生じている人は、筋肉の質が低下していることがわかっております。

脂質代謝異常症の診断基準(動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007版 日本動脈硬化学会) LDLコレステロール 140mg/dl以上 HDLコレステロール 40mg/dl未満 中性脂肪 150mg/dl以上

筋力が衰える状態を「サルコペニア」と言いますが、体力の低下や活動量が落ち、内臓脂肪が蓄積したりします。筋肉の減少と肥満が重なって起きる「サルコペニア肥満」が近年大変問題になっておりますが、これはサルコペニアを経て、さらに生活機能が全般に衰える「フレイル」となり、要介護状態に至る事は本コラムのVol.1で書きました通りです。
又、筋肉の質の低下は高脂肪の食事なども関連しております。
血糖値を下げるインスリンは、肝臓や骨格筋に作用しますが、肝臓や骨格筋に脂肪が溜まると(脂肪肝や脂肪筋)、溜まった脂肪が毒性を出して、インスリン抵抗性が生じてしまいます。太っていなくても代謝異常の起こりやすい人は、体重の減少に加えて、生活習慣に特に注意を払う必要があるという。
例えば、日常生活の中での活動量を上げるだけでもウォーキングの量が増えます。1駅手前でおりて歩く、1つ2つ上の階であればエレベーターを使わずに階段を上るなど、筋肉に負荷のかかる運動を取り入れて、体力を向上させることが勧められます。

では、具体的に運動療法についてみていきましょう。運動療法のコツは、過度にしんどくなく、おしゃべりができ、汗が少しにじむ程度が理想です。身体の調子が悪かったり、天候がよくない時などは、無理をせずに運動を中止、出来るようになったら又再開しましょう。
糖尿病の運動療法はいつでも、どこでも、無理なく続けられることが大切です。特におすすめなのは、ウォーキング、ジョギング、水泳といった運動です。少し汗ばむ程度の運動量で20分以上、週に3~5回、食後1~2時間に行うと良いでしょう。食後というのもポイントで、血糖値の上昇が抑えられることから、より効果的と言われています。
ちなみに体重60kgの人が、軽い体操や散歩を30分、ウォーキング(速歩)ですと25分、ジョギングで10分前後、水泳(クロール)で5分の運動を行うと100㎉を消費すると言われています。

ウォーキング1日10,000歩を目指してみませんか?
10,000歩というとだいたい1時間20分程度歩くことになります。距離にすると5キロメートル前後でしょうか。1時間20分というと長く感じますが、日常生活でも歩くことを意識して頂ければ、ウォーキングの時間としては1時間も歩けば1日10,000歩は到達すると思います。しかし、いきなり1時間のウォーキングも大変なので、ご近所を散歩する事から始めてみても良いと思います。

運動療法は、糖尿病の様々な症状を改善し、更に動脈硬化の予防などの点からも有効と言われております。しかし、進行した合併症がある場合には、運動する事によって病状を悪化させてしまうこともありますので注意が必要です。運動療法を行う際は、まずは主治医や糖尿病療養指導士、管理栄養士と相談し、自分に合った運動の種類と運動量を決定し、決して無理をせず自分の体と相談しながら適切な運動を続けることが大切です。

当院では生活習慣に関する指導から糖尿病の専門的な治療まで手厚いサポートをお約束いたします。また栄養管理士や糖尿病療養指導士も在籍しており、専門的な治療により早期発見・早期治療に努めております。気になられることはぜひ当院まで気軽にご相談ください。